「スマホ電波受信しようと」 モーリシャス重油流出で安全委推定

モーリシャス沖で座礁した貨物船の一部(MOBILISATION NATIONALE WAKASHIO提供、ロイター=共同)
モーリシャス沖で座礁した貨物船の一部(MOBILISATION NATIONALE WAKASHIO提供、ロイター=共同)

インド洋の島国モーリシャス沖で2020年、日本の貨物船「WAKASHIO」が座礁し燃料の重油が大量流出した事故で、運輸安全委員会は30日、乗組員がスマートフォンの電波を受信するため航海計画を変更し、島に接近したことで座礁したと推定する経過報告を公表した。

事故はモーリシャス沖で2020年7月25日に発生。長鋪(ながしき)汽船(岡山県)が保有し、商船三井が手配した貨物船が座礁し、同8月6日から重油が流出した。

安全委の経過報告によると、貨物船はモーリシャス島周辺の海岸線などが記載された詳細な海図を入手していなかったにもかかわらず、スマホの電波を受信しようと航海計画を変更して島に接近。貨物船には定額課金制でデータ通信が可能な通信機器を搭載しておらず、安全委は、事故以前から同様の目的で予定針路から外れ海岸線に接近したことがあったとみている。

安全委は再発防止策として、私的な理由で乗組員が不安全な行動を取らないことが必要と指摘。商船三井と長鋪汽船との間で貨物船が航海計画を変更し予定針路を離れた場合に情報共有できる体制がなかったとして、国交相に対し、船の位置情報を共有できる体制の整備と、教育と訓練の徹底を船会社に指導すべきだと提言した。

安全委が他国領海内での事故を調査するのは初めて。

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