韓国、「徴用工」で新基金案検討 メディア報道

韓国の国旗(AP)
韓国の国旗(AP)

【ソウル=時吉達也】韓国最高裁が日本企業に賠償を命じたいわゆる徴用工訴訟問題で、賠償を肩代わりする新基金の設立案を韓国政府が検討していることが29日、明らかになった。複数の韓国メディアが報じた。日韓の企業、国民による募金約300億ウォン(約31億円)を賠償金に充てる基金で、日本政府や敗訴した日本企業は参加しない方向だとしている。

「賠償問題は1965年の日韓請求権協定で解決済み」とする日本政府にとって、受け入れ可能な提案となる可能性がある。一方、

訴訟原告団の関係者は「被告企業の責任を問わない形式の賠償には応じられない」と新基金案を拒否する姿勢を示しており、実現に至るかは不明だ。原告側は敗訴した日本企業の資産を差し押さえ、売却して現金化する手続きを進めている。

報道によると、賠償支払いの対象は判決確定済みの原告に加え、係争中の約1000人のうち勝訴する可能性が高い計300人程度を想定。基金の主体は、請求権協定に基づき日本の経済支援を受けた韓国企業や、在日韓国人が経営する日本企業などが想定されている。

韓国では文在寅(ムン・ジェイン)前政権下の2019年にも、同種基金の設立に向けた法案を当時の国会議長が発議したが、原告の反発などで国会審議が行われないまま、20年に廃案となった。

一方、徴用工問題の解決に向け韓国政府が近く発足させる官民合同の協議体について、韓国外務省関係者は29日、「参加者の人選に時間がかかり、発足が遅れている」と述べた。訴訟原告団の代理人らが参加に難色を示しているという。

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