【マドリード=田村龍彦】政府は29日の岸田文雄首相の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議出席を「非常に大きな一歩」(外務省幹部)と位置付ける。台湾有事の可能性など中国の脅威が高まる中、日本にとって、NATOのインド太平洋地域への関与を強めることが欠かせない。一方、NATO側も日本をアジアの重要なパートナーと位置付けている。
「欧州とインド太平洋の安全保障は不可分であり、力による一方的な現状変更はいかなる場所でも許さないとの認識を確認し、連携を強化する機会にしたい」
首相は28日の記者会見で、NATO会議に出席する意気込みをこう語った。