京都新聞HD元相談役ら2人を刑事告発 現役記者「やらざるを得ない」

京都新聞社=京都市中京区
京都新聞社=京都市中京区

京都新聞社を傘下に置く京都新聞ホールディングス(HD、非上場)=京都市中京区=が、大株主の元相談役に支払った報酬など総額19億円相当が違法な利益供与に当たるとして、京都新聞の記者数人が加入する「関西新聞合同ユニオン」が29日、会社法違反(利益供与)の罪で、元相談役ら2人に対する告発状を京都地検に提出した。報道機関の記者が、自社の大株主や役員の刑事告発に関わるのは極めて異例。

告発対象は、元相談役の白石浩子氏(81)と、支出に関与したHD取締役で浩子氏の長男、京大氏(48)。

この日、京都市内で会見した京都新聞記者で同ユニオン委員長の日比野敏陽さん(57)は、問題を調査した第三者委員会の報告を踏まえ、「第三者委が認定した事実には法律違反があったが、誰も刑事告発をやろうとしなかった。個人として手を挙げてやらざるを得ないと思った」とこれまでの思いを説明。

70年以上にわたり経営に関与し続けた白石家とHD側との関係を不適切だとした上で「失望した仲間たちが辞めていった。刑事告発はある意味、重要な機会だ」と強調した。

告発状によると、浩子氏は令和元年7月から昨年2月までの間、代表取締役だった京大氏から、経営に関与しないことへの対価として、年間3550万円の相談役報酬を受け取った。報酬は会社法が禁じる特定株主への利益供与に当たるとしている。

一連の報酬問題は昨年6月に発覚。HD側が今年4月に公表した第三者委の報告書によると、浩子氏は会長から相談役に退いた昭和62年以降、勤務実態がほとんどなかったにもかかわらず、HDなど関連の計6社から相談役報酬を受け取っていた。金額は約34年間で総額16億4700万円余りに上る。また平成10年以降、白石家側の私邸管理費計2億5900万円をHD側が肩代わりしていた。

HD側は、時効期間などを考慮した上で浩子氏らに金銭の返還を求めるものの刑事責任は追及しない方針を明らかにしていた。

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