【ニューヨーク=平田雄介】国連安全保障理事会は28日、ウクライナ中部ポルタワ州クレメンチュクの商業施設が27日にロシア軍のミサイル攻撃を受け、民間人の死傷者が出たことをめぐり、緊急特別会合を開いた。ウクライナのゼレンスキー大統領はビデオメッセージを寄せ、ロシアを「テロリスト国家だ。人類の敵だ」と激しく非難、国連総会や安保理での「ロシアの代表権を剥奪すべきだ」と主張した。
現地からの報道によると判明した死者は20人、負傷者は59人。なお40人以上の安否が不明で、犠牲者はさらに増える恐れがある。
ゼレンスキー氏は、ロシアは2月24日の侵攻開始以降「毎日ウクライナ人を殺戮(さつりく)している。世界のどこを探してもロシアのように人殺しを続ける国はない。人類の敵だ」と訴えた。また、国際法の下で「ロシアに裁きを受けさせるべきだ」と強調した。
演説を終える直前、ゼレンスキー氏の呼びかけで、会合の出席者が起立してウクライナの犠牲者に黙禱(もくとう)をささげた。ロシアのポリャンスキー国連次席大使も加わった。