中国、NATOのアジア接近を警戒

中国の国旗(AP)
中国の国旗(AP)

【北京=三塚聖平】北大西洋条約機構(NATO)が中国の脅威を念頭に、アジア太平洋地域のパートナー国と関係強化を図っていることについて、中国メディアは「狼(NATO)を部屋に引き入れるな」などと反発している。習近平政権は、ウクライナ侵攻を契機に強化されている西側諸国の連携が自国の周辺国にまで及ぶことを強く警戒している。

「近年、NATOは地域を乗り越え、集団で対抗しようと吹聴している」

中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は29日の記者会見で、NATO首脳会議に日本や韓国などが初参加することに警戒感をあらわにした。

中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は29日付の社説で「古びた冷戦の産物が『新冷戦』の幕を開いた」とNATOを批判。首脳会議に参加する日韓やオーストラリア、ニュージーランドを名指しした上で、「(NATOとの関係強化は)アジア太平洋国家にとって賢明な選択ではない。中国との戦略的な相互信頼を損ない、代償を払うことも避けられない」と警告した。

米国との対立長期化が予想される中国には、アジア太平洋地域で米国の同盟網が強化されれば、自国の安全保障環境を危うくしかねないという警戒感がある。

中国は、新興5カ国(BRICS)を米国に対抗する国際枠組みへと発展させる動きを見せている。趙氏は28日の会見で「イランやアルゼンチンを含む多くの国がBRICS加盟に向け、前向きな意向を表明している」と述べ、枠組みの拡大に意欲を示した。

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