8月電気料金また値上げ 節電ポイントには課題

東京電力の南横浜火力発電所(横浜市)
東京電力の南横浜火力発電所(横浜市)

大手電力10社が29日発表した8月の家庭向け電気料金は、東京電力など4社が7月分から値上げとなった。ロシアのウクライナ侵攻に伴い液化天然ガス(LNG)や石炭など火力発電の燃料費が高騰が響いた。料金の負担が増す一方で、各社は家庭の節電を促すポイント還元策を打ち出し、政府も2千円相当の「節電ポイント」を支給する方針だ。節電と負担軽減の両立を図るが、課題も浮かぶ。

標準的な家庭の電気料金で、8月分の値上げ幅が最大なのは東電の247円。値上げは12カ月連続だ。東電の電気料金は1年前に比べ、約3割にあたる2158円も上昇した。他に8月分の料金を値上げしたのは中部と北海道、九州の各電力で、値上げ幅は前月比5~231円だった。

各社の電気料金は1年前の令和3年8月分に比べ、464~2158円上昇しており、家庭の負担感は増している。

値上げは燃料費の上昇分を料金に上乗せできる「燃料費調整制度」を反映したため。ただ、ウクライナ危機に伴って足元の燃料費が急騰しており、値上げ可能な上限に達する電力会社が相次いでいる。上限に達した社は経済産業省に申請しなければ燃料費の上昇分を転嫁できない。今のところ申請の動きはないが、原油など輸入物価の上昇につながる円安傾向も加わり、電気料金は今秋以降も高止まりする可能性が高い。

こうした中、各社は7月以降を対象に独自の節電促進策も打ち出している。節電分を外部の電子マネーなどに還元可能なポイントで付与して、節電と家計の負担軽減の両立を図る。ただ、対象となる料金プランが限られていたり、すでに省エネに取り組んでいる家庭には恩恵が少ないなどの課題も浮かぶ。

政府の制度は開始が8月以降で、今夏に最も需給が厳しいとされる7月には間に合わない見通しだ。

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