埼玉のLGBT条例案が審議入り

埼玉県議会最大会派の自民党議員団が県議会に提出した同性愛者など性的少数者(LGBT)への理解増進を図る条例案が29日、本会議で審議入りした。同議員団の渡辺大県議は提案理由の説明で「性的指向または性自認に関し、社会の不合理や不平等を感じて生きている県民が相当数いる」と強調し、条例化の意義を訴えた。

条例案は「性的指向または性自認を理由とする不当な差別的取り扱い」の禁止を掲げ、県に対し、LGBTカップル向けの「パートナーシップ制度」の整備などを求めている。「不当な差別的取り扱い」の定義が明示されていないことなどから、自民党議員団内にも慎重論がくすぶっている。

本会議の質疑では、大野元裕知事に近い県議会第二会派・無所属県民会議の井上航県議が「不当な差別的取り扱い」の具体例を説明するよう求め、渡辺氏は、解雇されたり採用の内定を取り消されたりするケースを例示した。

また、井上氏が「『身体は男性で性自認が女性である人』が女湯に入ることを入浴施設が拒むのは、不当な差別か」と尋ねると、渡辺氏は「施設には営業の自由があり、女湯への立ち入り禁止は一律に条例違反とはならない」と応じた。「性自認の申告がそのまま認められるものではない。建造物侵入罪などの違法性を阻却(そきゃく)することもない」とも説明した。

条例案は県議会定例会最終日の7月7日に採決される見通しで、可決、成立の公算が大きい。(中村智隆)

会員限定記事会員サービス詳細