日本気象協会にいたころから将棋が趣味で、夜勤の合間などによく指していた。将棋道場を巡り、約30年前にアマ三段の段位を取った。最近は人工知能(AI)で評価値が出るので対局を見る方が楽しく、スマートフォンに10個ほどの将棋アプリを入れている。
平成29年7月、藤井さんが佐々木勇気五段(当時)と対局した竜王戦決勝トーナメントを会場のモニターでみた。藤井さんは敗れ、デビュー以来の公式戦勝利が29連勝でストップ。投了後、報道陣に交じって入れてもらった対局室で見た、力を出し切った藤井さんの姿が印象的だった。
通常の人間なら怖さが先に立って防御に回ってしまう局面でも、藤井さんはコンピューターのように、勝つための手を冷徹に弾き出して指しているようなすごみがある。