G7閉幕 中国人権に「深刻な懸念」 食糧支援6100億円

G7サミットで記念撮影に臨む(左から)EUのミシェル大統領、イタリアのドラギ首相、カナダのトルドー首相、フランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相、米国のバイデン大統領、英国のジョンソン首相、岸田首相、EUのフォンデアライエン欧州委員長=26日、ドイツ南部エルマウ(代表撮影・共同)
G7サミットで記念撮影に臨む(左から)EUのミシェル大統領、イタリアのドラギ首相、カナダのトルドー首相、フランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相、米国のバイデン大統領、英国のジョンソン首相、岸田首相、EUのフォンデアライエン欧州委員長=26日、ドイツ南部エルマウ(代表撮影・共同)

【エルマウ(ドイツ南部)=大内清、三井美奈】ドイツのエルマウで行われた先進7カ国首脳会議(G7サミット)は28日、中国・新疆ウイグル自治区を念頭に、強制労働を世界の供給網から排除する方針を首脳声明で明記した。ロシアのウクライナ侵攻が長期化する中、G7が食料危機への対応で45億ドル(約6100億円)を拠出することを確認し、閉幕した。

首脳声明は、中国が不透明で、公正な市場競争をゆがめるような措置をとっていることに触れ、G7が「経済的威圧」などに連携して対応することを確認した。中国の人権状況については、「深刻な懸念」を表明。新疆ウイグル自治区に触れないまま、農業や太陽光パネル、衣料産業で国内の少数派に対し、「国家支援の強制労働」が行われることへの懸念も示した。

今回の声明は、中国に対する厳しい姿勢で「G7の枠組みで、これまでで最も踏み込んだ」(米政府高官)内容となった。台湾海峡の「平和と安定の重要性」も盛り込んだ。

ウクライナ侵攻をめぐって首脳声明は、ロシアに対して「厳しく、即効性のあるコストを課し続ける」立場を示した。議長国ドイツのショルツ首相は会議閉幕後の記者会見で、「プーチン露大統領がウクライナへの試みは失敗だったと認めることが、(制裁の)唯一の出口となる」と述べた。

ロシアの戦費調達を難しくするため、露産石油の取引価格に上限を設定することを目指し、今後、第三国との協議に入ることも決まった。G7各国による段階的な石油禁輸により、取引価格が上昇し、ロシアに対する制裁効果が薄れるのを防ぐ目的がある。

世界的なエネルギー、食料価格高騰について、声明は「ロシアが戦争を引き起こし、悪化させた」と非難した。地球温暖化対策では、温室効果ガス排出量を「2050年までに実質ゼロ」とする目標を維持。今年中に、第三国との対話枠組み「気候クラブ」を設置する方針も掲げた。

声明は、来年のサミットを広島で開催するとした岸田文雄首相の提案を歓迎した。

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