がん電話相談から

保険拡大「ロボット支援下手術」身近に

熟練した技術が必要

ロボット支援下手術も従来の手術同様、医師の高い技術が求められる。導入時には、まず使いこなすための訓練を受け、十分な臨床見学を行った上で、熟練指導医のもとで実際の手術を行うことが、日本内視鏡外科学会の指針で条件とされている。

同学会はロボット支援下手術の指導医である「プロクター」認定制度も設け、認定プロクターは1400人を超える。がん研には山口医師を含め17人のプロクターが在籍し、他の医療機関の医師に対しても指導を行う。がん研では、中央手術部の部長である奥村栄医師が中心となり、緊急対応講習を全医師に義務付けたり、手術の状況に応じて執刀医の他にプロクター認定医師が立ち会ったりするなど、安全面において厳格な取り組みを行っている。

■手術支援ロボット 米インテュイティブサージカルが開発した「ダビンチサージカルシステム」は、2000年に腹腔鏡手術領域で米食品医薬品局(FDA)の承認を取得。これまでに世界67カ国で6700台以上が導入され、症例数は21年末現在で1000万超。日本では09(平成21)年に薬事承認され、導入は今年6月現在で500台超。このほかに、メディカロイド(神戸市)が開発した国産の「hinotoriサージカルロボットシステム」が令和2年8月に製造販売承認を取得。これまでに国内18施設で導入されている。

「がん電話相談」(がん研究会、アフラック、産経新聞社の協力)は毎週月~木曜日(祝日除く)午前11時~午後3時に受け付けます。03・5531・0110、無料。相談はカウンセラーが受け付けます。相談内容を医師が検討し、産経紙面やデジタル版に匿名で掲載されることがあります。個人情報は厳守します。

会員限定記事会員サービス詳細