東電総会、電力安定供給の関心高く 原発再稼働求める声も

東京電力管内の節電要請を伝える電光掲示板=28日午後、東京・渋谷
東京電力管内の節電要請を伝える電光掲示板=28日午後、東京・渋谷

東京電力管内の電力需給が逼迫(ひっぱく)し、政府が無理のない範囲で節電を呼びかける「電力需給逼迫注意報」が発令される中、電力各社の株主総会が28日、開かれた。東京電力ホールディングス(HD)の株主総会では、株主の東京都が休停止中の発電所の再稼働による、電力の安定確保を定款に明記することを求める議案を提案。他の株主からも原発の再稼働など電力供給力の増強に関する質問が相次ぎ、電力の安定供給に対する関心は高まっている。

「そもそも発電能力が足りていないのではないか」。東電の株主総会では、株主から足元の電力需給に対する不安や不満の声が相次いだ。この株主は東電の脱炭素の取り組みと、電力の安定供給のバランスを問題視。別の株主からは、原発の再稼働を訴える声も上がった。

東電は平成23年の福島第1原発事故以降、所有する全ての原発の稼働を停止している。不足分を火力発電や、太陽光発電を中心とする再生可能エネルギーなどで補ってきた。特に脱炭素化の流れの中で、二酸化炭素(CO2)の排出が多い火力発電への風当たりが強まっており、近年は再エネの割合が増加していた。

しかし、電力需給が逼迫する状況下では、天候に左右されやすい再エネの〝弱点〟が露呈。太陽光発電の発電量が下がる夕方に、電力需給が逼迫する状況が続いている。

特に今回は6月に歴史的な暑さを記録していることも電力不足の大きな要因となっている。発電所は定期的に補修や点検を行う必要があり、電力需要が増える夏本番を前に完了させる計画のものが多い。こうした発電所の多くは7月以降に順次再稼働させる計画で、今回の需給逼迫には間に合わなかった。

7月以降はこうした発電所が順次稼働し供給力の増加が期待できる。ただ、需要も増えることが想定され、需給バランスがどの程度改善するかは見通せない。

東電株を1・2%(令和4年3月末時点)保有する東京都は、小池百合子知事が総会に出席し、「都民、事業者を不安に陥れるこの状況が続くことはとても容認できない」と東電を非難。運転可能な休停止中の発電所の再稼働や、再エネ電源の最大化を求め、定款の変更を提案したが、東電側は「定款に明記するのは適当ではない」と反対し、総会でも否決された。(浅上あゆみ)

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