関電、7月から節電ポイント 安定供給には原発必須

就任後初の記者会見を終え、写真撮影に臨む関西電力の森望社長=28日午後、大阪市北区(恵守乾撮影)
就任後初の記者会見を終え、写真撮影に臨む関西電力の森望社長=28日午後、大阪市北区(恵守乾撮影)

28日付で就任した関西電力の森望(のぞむ)新社長は同日、大阪市内の本店で記者会見を開き、今夏の電力需給対策として、節電に協力した家庭にポイントを付与するなどの取り組みを発表した。関電は大飯原発4号機(福井県おおい町)の運転再開が遅れたことで、電力の供給余力を示す供給予備率が7月に3%まで落ち込む見通し。安定供給のためには原発活用が必須で、関電は同日の定時株主総会において、株主の大阪市などによる脱原発の提案を否決した。

「利用者には負担になるので心苦しいが、無理のない範囲で節電にご協力いただきたい。電力の需給面の取り組みなどあらゆる対策を総動員する」。森社長は厳しい表情で語った。

家庭向けには、オンラインで電気料金などを確認できるサービス「はぴeみる電」会員を対象に、節電量に応じて景品などと交換できるポイントを付与するキャンペーンを7~9月に実施。一部法人向けに前年同月の電力量からの節電量に応じたキャッシュバックも行う。供給面の対策として、すでに公表している美浜3号機の運転再開時期の2カ月前倒しなどにより必要な電力確保に努める。

関電は27日、定期点検で停止中の大飯4号機で冷却水漏れが見つかり、運転再開を7月上旬から下旬に遅らせると発表。西日本の7月の予備率は0・8ポイント減少し、安定供給に最低限必要な3%まで低下する見通しとなった。

森社長は「電力需要が想定を超えて増加している。燃料調達リスクもあり、電力需給は予断を許さない状況だ」と言及。仮に地域間での電力の融通がなければ、関西単独では7~9月は予備率がマイナスになると危機感をみせた。

一方、同日の株主総会では、株主の大阪市、京都市、神戸市などによる脱原発の提案を全て否決した。

株主からは「原発に依存しない持続可能で安心安全な電力供給体制を構築すべきだ」などの声が上がったが、この日退任した森本孝前社長は「確立した脱炭素技術である原発の最大限活用などに取り組む」と話し、脱原発に反対した。

入江啓彰(ひろあき)・近畿大短期大学部教授は「利用者の節電にも限界があり、効果も未知数だ。節電は経済活動の抑制につながり、電気代が高くなれば家計を圧迫して消費が落ち込む恐れもある」と指摘。「今夏を乗り切っても電力需給逼迫(ひっぱく)の根本的な解決にならない。中長期的には原発を再稼働して安定供給を図り、エネルギー構成を見直すべきだ」と語った。(井上浩平)

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