大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手の去就をめぐり、米国メディアの予想合戦が過熱している。順調にいけば来年オフにフリーエージェント(FA)となる大谷だが、単年ベースで年俸80億円を試算する予想も出るなど、早くも「大谷争奪戦」の様相を呈している。
ヤンキース、レイズも候補
ニューヨーク・ポスト(電子版)は「エンゼルスは大谷翔平について難しい問題を抱えている」と題し、大谷の去就を特集。「大谷の今後の年俸が、エンゼルスにとっては財政的な問題になりつつある」とした上で、大谷の今後の年俸について「(単年ベースで)6000万ドル(約81億円、1ドル=135円換算)の選手になる」と算出した。
大谷とエンゼルスとの契約は2023年シーズンまで残るが、契約の更新となれば年俸の高騰は避けられない。そのため、移籍市場に出る前にトレードを予想するメディアも出ている。
スポーツ専門サイトの「fansided」は「エンゼルスが(交渉を)打ち切った場合の3つのトレード」と題し、トレード先としてメッツ、ヤンキース、レイズの3球団を予想。「これらの3球団は、大谷を獲得するための資金がある」と指摘した。
また、米国のスポーツ専門ラジオ局「WFAN」では「大谷がFA市場に出るか出ないかにかかわらず、メッツが理想的な相手」とした上で「(メッツは)大谷を移籍させるのに、喜んで資金を投じる数少ないオーナーがいる」と指摘した。
カギ握るエプラー氏
移籍先の有力候補に挙げられているメッツでカギを握る存在なのが、現在ゼネラルマネジャー(GM)を務めているビリー・エプラー氏だ。
エプラー氏はエンゼルスでも2015~20年でGMを務め、大谷がポスティングシステムを通じてエンゼルスに移籍した際に尽力した一人として知られる。大谷の二刀流にも理解があるだけに、大谷の獲得に向けて今後は本腰をあげるものとみられる。
「エンゼルス・大谷」としてそのままチームにとどまることができるのか、それとも新たなユニホームに袖を通すのか。大谷の去就の行方が注目される。(浅野英介)