主張

梅雨明け猛暑 「命を守る」意識で対策を

気象庁は27日、九州南部と東海、関東甲信地方が梅雨明けしたとみられると発表した。

関東甲信と東海の梅雨明けは平年より22日も早く、梅雨明け前から連日の猛暑となっている。群馬県伊勢崎市では25日の最高気温が40・2度まで上がり、6月としては観測史上初の40度超えとなった。

これから梅雨明けを迎える地域も含め、平年以上に厳しい暑さが続く可能性がある。「災害級」もしくは「命にかかわる」ほどの猛烈な暑さを想定し、熱中症予防に万全を期したい。

「梅雨明け十日」と呼ばれるこの時季は、日本列島が太平洋高気圧に広く覆われ、一気に暑さが本格化する。近年は夏の暑さが厳しさを増す傾向にある上に、今年は異例の早さで到来した。この時季に体が順応できる気温と実際の暑さのギャップが、今年はいつもの夏以上に大きいことを、頭に入れておく必要があるだろう。

「暑さをしのぐ」という感覚ではなく「命を守る」という意識を一人一人が持って、梅雨明けの猛暑を乗り切りたい。

熱中症は高温多湿の環境で水分と塩分のバランスが崩れ、体温調節機能が急激に低下することによって発症する。水分と塩分をこまめに補給し、睡眠と休養を十分にとって体調を維持することが予防の基本だ。

気温の上昇に体の調節機能が追いつかない場合は、冷房の使用をためらうべきではない。体温調節機能が低い高齢者や乳幼児がいる家庭はもちろん、一般の成人や若者も熱中症リスクを軽視しないことが大事だ。

一方、経済産業省は東京電力管内に「電力需給逼迫(ひっぱく)注意報」を発令し、節電を呼びかけた。冷房以外での節電や、日中は冷房が効いた公共施設や商業施設を活用する「避暑」など、節電と熱中症予防の両立策をもっと具体的に示すべきであろう。

猛暑、酷暑のリスクは今年に限った問題ではない。

たとえば、原則無観客開催となった東京五輪で、観客を守るために検討された屋外でのミスト噴霧や壁面緑化などの対策は、都市部の炎熱対策として効果が期待できるのではないか。

国民の命と生活を守るために、厳しい暑さにも耐えられる街づくりを、推進すべきである。

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