東芝は28日の定時株主総会を経て「物言う株主」である海外ファンドの幹部2人を社外取締役として迎えた新体制となり、経営再建の検討を本格化させる。ただ2人の選任に反対した綿引万里子社外取締役が再任直後に辞任。株主総会では経営再建の有力な選択肢である株式の非公開化への反対意見が相次ぎ、経営を巡る混迷が続いている。
「取締役会が一体となって進むためには、自身が退任することがふさわしいと考えた」。28日夜に東芝が明らかにした役員体制の発表文で、綿引氏の辞任理由はこう記されていた。
株主総会では主要株主である米の「ファラロン・キャピタル・マネジメント」と米の「エリオット・マネジメント」の幹部2人の起用に反対した理由について株主から説明を求められて回答に立ち、拍手を浴びる一幕もあった。