主張

G7サミット 対露結束確認の場とせよ

ドイツで開催中の先進7カ国首脳会議(G7サミット)の最大のテーマは、ロシアが侵略したウクライナへの支援とロシアへの制裁強化で、日米欧の結束の強さを明確に示すことである。

開幕日の26日には、この日に照準を合わせるかのようにウクライナの首都、キーウ(キエフ)中心部のアパートにミサイルが着弾し、死傷者が出た。ロシアの恫喝(どうかつ)だろう。日米欧は揺るがぬ決意で対(たい)峙(じ)しなくてはならない。

侵略から4カ月がたち、ウクライナ東部ではなお一進一退の激しい攻防が続いている。戦闘長期化の見通しが強まり、日米欧の連携も「支援疲れ」が指摘される。

エネルギーでの対露依存度が高いドイツやフランス、イタリアなどの欧州では停戦への落としどころを探る動きも目立つ。ここは改めて制裁強化に向けた各国の足並みをそろえるべき局面である。

G7がロシアからの金輸入を禁止するのは妥当だ。岸田文雄首相は会合で日本の追加制裁についても説明した。日米欧の連携は国際秩序を守るためであり、ロシアに対する妥協の余地はない。国際法違反の侵略行為により、ロシアがわずかでも利益を得ることがあってはならない。

石油価格の上昇に加え、ロシアの侵略に起因する世界的な食料危機への懸念も強まっている。だからといって、その責任を対露制裁に押し付けるプーチン露大統領に歩み寄るわけにはいかない。G7は、責任がロシア側にあることを明確に文書で示すべきだ。

その上で価格高騰に苦しむ国際社会の声に応えるべきである。岸田首相がウクライナ支援と対露制裁強化に加え、G7として「各国の国民生活を物価高騰から守る結束」を提案したのは適切だった。連携して途上国を支援し、当面の危機を乗り切らねばならない。

昨年6月のG7サミットでは中国への対応が主要議題となり、初めて首脳宣言に「台湾」を明記した。この流れを維持することも重要だ。岸田首相は、防衛力を5年以内に抜本的に強化する方針を示し、「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」と述べた。

ウクライナ侵略で中露関係はさらに密接になった。日本は、対露関係でG7の結束を強めることこそが、対中関係における日米欧の連携強化につながることを認識しておかなくてはならない。

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