露ウ戦でも注目 ブラックとホワイトの「ハッカー」

NHK厚生文化事業団が運営する寄付サイトに架空のクレジットカード情報を3万回以上入力して業務を妨害したとして、警視庁サイバー犯罪対策課は、偽計業務妨害の疑いで、札幌市豊平区中の島2条の専門学校生、大坂良広容疑者(21)を逮捕した。「やっていない」と容疑を否認する一方、大坂容疑者は「ホワイトハッカーになりたい」と話しているという。

ブラックハッカーとホワイトハッカーは、IT技術に関する高い知識を持つことには変わりないが、その技術の使い方で性質は真逆だ。ロシアによるウクライナ侵攻でも、ハッカー集団のサイバー攻撃の応酬が注目を集めた。激化するサイバー攻撃への防衛など安全保障の面でも重要視され、政府も高い技術を持つ人材の育成に力を入れている。

ブラックハッカーは「ハッカー」や「クラッカー」とも呼ばれ、他人のパソコンやサーバーなどに不正アクセス(ハッキング)して破壊するなど、不正や犯罪を行うとされる。一方、ホワイトハッカーは、高い倫理観を持ち、ハッカーの攻撃を防御したり、調査したりする。日立ソリューションズのホワイトハッカーで、シニアセキュリティアナリストの米光一也さんによると、ホワイトハッカーは、企業のシステムに脆弱(ぜいじゃく)性がないか確かめるため、疑似的に攻撃することもあるという。

ハッキングは国防や安全保障面でも注目される。米マイクロソフト社が今月22日に発表した報告書によると、ロシアによるウクライナ侵攻で、今年2月以降、ロシア政府から支援を受けたハッカー集団が、ウクライナだけでなく、ウクライナ支援国、42カ国の企業や関係機関にサイバー攻撃を仕掛けていると指摘した。

総務省所管の情報通信研究機構では、そうしたサイバー攻撃に備える技術を身に着けるため、若年層向けの育成プログラムを平成29年から推進。これまでに小学生を含む271人が受講した。ホワイトハッカーを含む高度な技術者の育成に今後も力を入れる予定だ。

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