「仮面女子」猪狩さん看板下敷き国賠訴訟、請求を棄却

猪狩ともかさん=2018年12月9日(佐藤徳昭撮影)
猪狩ともかさん=2018年12月9日(佐藤徳昭撮影)

東京都文京区で平成30年、強風で倒れた国史跡「湯島聖堂」の看板の下敷きになり、下半身まひなどの障害を負ったアイドルグループ「仮面女子」の猪狩ともかさん(30)と両親が、安全対策を怠ったとして湯島聖堂を所有する国に計1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であり、成田晋司裁判長は「看板が国によって管理されているとは認められない」として請求を棄却した。

事故は30年4月11日に発生。湯島聖堂の敷地内に設置された立て看板(高さ約2・8メートル、幅約3・8メートル)が強風で倒れ、近くを歩いていた猪狩さんにぶつかった。猪狩さんは下半身の運動機能を完全に失うなどの障害を負い、車いすでアイドル活動を続けている。

事故の補償を巡っては国から湯島聖堂の管理を委託された公益財団法人との間で裁判外の和解が成立し、和解金が支払われた。猪狩さん側は「国は看板の点検をせず管理を放置していた」と主張、昨年3月に国を提訴していた。

車椅子姿でパフォーマンスをする、仮面女子・猪狩ともかさん=2018年8月26日 (撮影・大橋純人)
車椅子姿でパフォーマンスをする、仮面女子・猪狩ともかさん=2018年8月26日 (撮影・大橋純人)

判決理由で成田裁判長は、看板の掲示内容は財団法人の学習講座の紹介が大部分を占めており、文化財保護法で定める「標識」や「説明板」には該当しないと指摘。「国が看板を所有、占有していたとは認められない」と結論づけた。

この日の判決には、猪狩さん側、国側の双方とも出廷しなかった。

猪狩ともかさんが案内板の下敷きになった湯島聖堂 =東京都文京区(早坂洋祐撮影)
猪狩ともかさんが案内板の下敷きになった湯島聖堂 =東京都文京区(早坂洋祐撮影)

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