生後8カ月の赤ちゃんも悪者に「罰」 阪大などのチーム解明

生後8カ月の乳児がいじめを行う悪者を罰するような行動をとることを、大阪大の鹿子木(かなこぎ)康弘准教授らの研究チームが突き止め、英科学誌「ネイチャー・ヒューマン・ビヘイビア」に発表した。鹿子木氏は「人間とはどういう存在かの解明につながる」としている。

悪い行いをした者を第三者が罰する「第三者罰」と呼ばれる行動は、近縁のチンパンジーではみられず、ヒト特有の行動といわれている。

これまでの研究で、生後12カ月までの乳児が他者の行動の善しあしを判断することはわかっていた。しかし、乳児がその道徳的判断に基づいた行動を取るかは解明されていなかった。

研究は、意思をもって視線を動かすことができる生後8カ月の乳児120人を対象に実施。2つのキャラクターが登場し、一方のキャラクターがもう一方を攻撃する動画を見せた。乳児には事前に、自身が視線を向けたキャラクターには石が落ちて「罰」を与えられることを学習させた。

すると、乳児は動画を見た後、攻撃したキャラクターに視線を多く向けるようになった。さらに別の複数の実験で乳児の意図を検証し、単に攻撃者に注目しただけでなく、罰する目的があるとみられることも分かった。

鹿子木氏は「反社会的な他者を罰する性質は、学習の結果ではなく乳児に備わっている。ヒトの進化の過程で獲得されたと考えられる」と話した。

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