ロシアによるウクライナ侵略で、露国防省は25日、東部ルガンスク州の中心都市セベロドネツクを「完全に制圧した」と発表した。同州のガイダイ知事やストリュク市長も同市の陥落を認めた。今後は、ドネツ川を挟んだ対岸の都市で、州内でのウクライナ軍の事実上の最終拠点、リシチャンスクをめぐる攻防が当面の焦点となる。
ウクライナ軍参謀本部は26日、リシチャンスク方面で露軍がウクライナ軍部隊の包囲を試みていると発表した。タス通信によると、露軍と実質的に一体の親露派武装勢力「ルガンスク人民共和国」(自称)の関係筋は25日、リシチャンスクの一部で戦闘が始まったと主張した。
英国防省は26日、ウクライナ領土の大部分の占領という当初目標の達成に失敗し、東部ドンバス地域(ルガンスク、ドネツク両州)の掌握に焦点を絞った露軍にとり、セベロドネツクの制圧は一定の成果になると指摘。ただ、それはドンバス制圧に必要な過程の一部に過ぎないとし、今後も曲折がありうると分析した。
一方、露国防省は26日、ショイグ国防相が露軍の指揮施設を訪問し、戦況報告を受けたと発表した。具体的な場所は明らかにしていないが、ウクライナ国内だとみられている。
ウクライナの首都キーウ(キエフ)のクリチコ市長は26日、市街地が露軍のミサイル攻撃を受けたと発表した。市民に死傷者が出ているという。露軍は25日にもウクライナ各地に大規模なミサイル攻撃を行った。