「JIN―仁―」「六三四(むさし)の剣」など数々の人気作を手掛け、今年画業50周年の節目を迎えた漫画家、村上もとか(71)の軌跡を振り返る展覧会が、東京都文京区の弥生美術館で開催中だ。F1、剣道、日中近代史に医療…。情熱のおもむくままに多種多様なテーマに挑戦し、時代と人間のドラマを描き続けた。実力派漫画家の半世紀の歩みは、戦後における日本漫画の発展の歴史と重なる。
憧れ吐き出す半世紀
「何回も、何百回も締め切りを繰り返しているうちに、50年たっちゃった…という感じです。自分の心に湧いたものや憧れをそのまま吐き出すように描き続けた、幸せな50年でした」