「ホンダ謹製カフェレーサーは、断じて“上がりのバイク”ではない!」 新型HAWK 11試乗記

あらためて屋外、自然光の下で見ると、とてもカッコいいデザインだと思った。フロントフェアリングから燃料タンク、シート、テールに至る水平基調のラインは、余計な装飾がなくシンプルで美しい。ロゴもタンクに「HONDA」、サイドカバーに「HAWK11」とごく控えめに記されているだけだ。

このシンプルなスタイルに寄与している要素のひとつがバックミラーの取り付け位置である。カウルをマウントするステーから“生える”ように伸び、ハンドルの下側にミラーが位置するという独創的なものだ。

取りまわしの造形や視認性について賛否両論あるかもしれないが、スポーツバイクにおいて問題となりがちな「バックミラーがデザイン上、邪魔になる問題」について、新しい解決方法を模索しているのが伝わってくる。とくにサイドから見たときはバックミラーが目立たないよう隠れていて、悪くないと思う。

HAWK11はエンジンおよび車体をアドベンチャーモデルの「アフリカツイン」と共用してつくられている。さらに詳細に言えば、車体はアフリカツインをベースにオンロード向けに仕立てた「NT1100」のフレームおよび足まわりを基本にしている。

しかし跨っての印象は、アフリカツインともNT1100ともまるで違っていた。シート高は820mmとアフリカツイン/NT1100とほぼおなじであるが、車体がスリムなため両車より足着きがいい。身長173cmの筆者で両足のかかとがギリギリ地面に着くというところだ。おそらく165cm以上の身長があれば不安を感じることはないだろう。

ライディングポジションは適度な前傾姿勢だ。 “ベテラン向け”ということで正直、もう少し安楽なポジションなのかなと思っていたら、そこまで緩くはなかった。先に紹介した「半日出かけるのが楽しいバイク」というコンセプト通り、ショートツーリングにおいて心地いい充足感、疲労感が得られるポジション、というところだろう。

ヤル気を刺激するスポーツバイク

走り出すとすぐ、エンジンの素性のよさを感じる。アフリカツインで定評のあるパラレルツインは、どの回転域からも必要なだけのパワーとトルクを引き出せるフレキシビリィ、下から上まで淀みなくまわるスムーズさが美点であるが、とはいえ実直なだけの味気ないエンジンというわけではない。

ドコドコドコ……とツインらしい鼓動を感じさせ、アクセル操作に対する反応もリニアで気持ちいい。跳ね上げられたマフラーから吐き出される排気音も歯切れよく、気分を盛り上げてくれる。ちなみに最高出力102PS/7,500rpm、最大トルク104Nmというスペックはアフリカツイン/NT1100と同等だ。

トランスミッションは6速マニュアルを採用する。アフリカツインおよびNT1100にはクラッチレバーやギアペダル操作が要らないオートマのDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)が用意されるが(NT1100はDCTのみ)、HAWK11はこのモデルのキャラクターゆえかMTのみ。

そのメリットは大きくふたつあり、ひとつは車両重量だ。アフリカツイン/NT1100ともDCTモデルは約250kgであるが、おなじエンジンを積むHAWK11は214kgと軽い。もうひとつは価格で、アフリカツイン(163.9〜205.7万円)とNT1100(168.3万円)に対してHAWK11は139万7000円(税込)と、25〜30万円ほど安い。これはMTのみに絞った恩恵である。

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