バイデン氏、G7・NATO首脳会議へ出発 中国にらみ欧・インド太平洋の連携構築へ

バイデン大統領夫妻(ゲッティ=共同)
バイデン大統領夫妻(ゲッティ=共同)

【ワシントン=大内清】バイデン米大統領は25日、ドイツ南部エルマウで行われる先進7カ国首脳会議(G7サミット)とスペイン・マドリードでの北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席するためワシントンを出発する。両会議でバイデン氏は、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの関与継続と対露圧力の強化を確認。同時に、国際秩序の改変をもくろむ中国との競争を優位に運ぶため、欧州とインド太平洋にまたがる連携態勢の構築を進める考えだ。

「ロシアのウクライナ侵攻によってわれわれ(米国やその同盟・友好諸国)の目が中国から離れることはない。実際はそのまったく逆だ」。米政府高官はバイデン氏の訪欧に先立って記者団にこう語り、「中国」がG7とNATO首脳会議の重要テーマの一つになるとの考えを示した。

これを端的にあらわすのが、米国を中心とする大西洋・欧州の軍事同盟であるNATOの首脳会議に、初めてインド太平洋の同盟国である日本やオーストラリア、韓国、ニュージーランドの首脳を招いたことだ。G7には日米豪とともに「クアッド」を形成するインドや、米国が関与強化を打ち出している東南アジアのインドネシアが招かれた。中国との競争環境を整えるため、欧州とインド太平洋を結びつけることを目指すバイデン政権の意向が強く反映されているのは間違いない。

またNATOが今回の首脳会議で採択する新しい戦略概念には、中国の台頭がもたらす試練への対応が盛り込まれる。NATOは近年、中国の北極海進出やアフリカでの影響力強化などへの懸念から徐々に対中意識を強めてきたが、バイデン政権はそれを加速させることを狙う。

一方で、米国とNATO諸国の間では、中国との経済的な結びつきなどの違いから温度差も指摘される。ウクライナ戦争が続く中、欧州諸国にとっては「遠い中国」よりも「近いロシア」の脅威への対処が優先されるのが現実だ。このためバイデン氏は今回の訪欧で「ロシアへの圧力を強め、ウクライナを支援するための強固な提案を行う」(同高官)ことで、欧州側の納得を得たい考えだ。

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