「ウクライナは明日の東アジアかもしれないという強い危機感を抱いている」
岸田文雄首相は10日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ対話)に日本の首相として8年ぶりに出席し、東・南シナ海で一方的な現状変更をもくろむ中国を念頭に警鐘を鳴らした。「平和国家である日本の首相として、日本国民の生命と財産を守り抜き、地域の平和秩序に貢献する責務がある」とも強調した。
ロシアによるウクライナ侵攻は、冷戦後の国際秩序を脅かす転機となった。外交では、侵攻を阻止できなかったからだ。各国は外交戦略の練り直しを迫られており、中国や北朝鮮、ロシアに囲まれる日本も、同盟国や友好国・地域と連携し、周囲の専制主義国家をどう抑止するかが喫緊の課題となっている。