尼崎USB発見 委託業者、ダークウェブへの情報流出を調査 

記者会見で謝罪する「BIPROGY」の平岡昭良社長(左)ら=24日午後、兵庫県尼崎市
記者会見で謝罪する「BIPROGY」の平岡昭良社長(左)ら=24日午後、兵庫県尼崎市

兵庫県尼崎市は24日、紛失していた全市民約46万人の個人情報が入ったUSBメモリーが見つかったと発表した。業務委託業者によると、同日午前、大阪府吹田市のマンション敷地内でバックアップ用も含めたメモリー2本が入ったかばんごと見つかった。パスワードやデータの暗号化状態が変更された形跡はないが、今後詳しく調べる。

尼崎市は紛失を発表した23日時点で外部への情報漏洩(ろうえい)は確認されていないとしていた。委託業者の情報サービス会社「BIPROGY(ビプロジー=旧日本ユニシス)」は、情報流出の有無の詳しい解析は別の業者に委託するとともに、個人情報が闇サイト「ダークウェブ」に流れていないかなどのモニタリング調査も実施するとしている。

尼崎市やビ社によると、新型コロナウイルス対策の臨時特別給付金支給事務を市が委託していたビ社関西支社の協力会社の40代男性社員が21日朝、市役所近くでデータをメモリーにコピー。吹田市のコールセンターでビ社社員ら3人と合流した。

4人は午後7時半ごろにデータ移管作業を終え、居酒屋で食事や飲酒をして午後10時半ごろに解散。その後、男性社員は泥酔し帰宅途中に路上で寝込んでしまい、目覚めた22日午前3時ごろにメモリー入りのかばんがないことに気付いた。

社員はこの日の仕事を休んでかばんを捜したが見つからず、大阪府警吹田署に遺失物届を提出。会社に紛失を報告したのは同日午後2時ごろだった。

24日になって大阪府警の警察官と社員が一緒に吹田市内を捜索。社員の記憶やかばんに入ったスマートフォンの位置情報などを基にマンション敷地内でかばんを発見した。かばんの中には、メモリー2本やスマホなども含めなくなっているものはなかったという。

社員はデータを持ち出した理由について「事前にデータ更新作業を行うことについて承認を得たため、(本来職員の立ち合いがいる)データ持ち出しの許可を得たと思い込んでしまった」と話したという。

尼崎市の稲村和美市長は24日記者会見し、外部有識者を交えた第三者委員会を設置する方針を示した。平岡昭良ビ社社長は「お預かりした大切な情報を紛失し、ご迷惑をおかけした。管理体制の見直しと協力会社への指導を再徹底し、再発防止に努める」と話した。

USB発見も楽観できず

近畿大情報学部の柏崎礼生(ひろき)准教授(情報セキュリティー)は「(業者が一時紛失した)情報の中にはセンシティブな内容もあり、USBメモリーが発見されたからといって楽観はできない」と指摘。尼崎市が問題発覚から比較的時間を置かずに記者会見したり、市民の問い合わせ窓口を開設したりした動きは評価できるとする一方、「市民に不利益が出ないように、事態収束まで適切で誠実な対応をしてほしい」と求める。

今回の件は、自治体の個人情報の管理についても、課題を突きつけた。限られた利用者だけが使えるネットワークを作り、自治体と外部の業者が情報のやりとりを進める例もある。柏崎氏は「総務省はこうした現実的なシステムを自治体に示し、必要とするところにはしっかりと予算をつけることが大切ではないか」と話した。

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