ミャンマー国軍、スーチー氏を刑務所に収監

【シンガポール=森浩】クーデターで実権を握ったミャンマー国軍は22日、軟禁下に置いていた民主化指導者、アウンサンスーチー氏(77)を首都ネピドーの刑務所に収監した。国軍はスーチー氏の政治生命を断つため、19件の罪で同氏を訴追しており、今後の公判は刑務所内の特設法廷で行われる見通し。

スーチー氏は昨年2月のクーデター後に自宅で軟禁され、その後ネピドー近郊の非公開の施設に移されていた。国軍報道官は声明で刑務所に収監したことを明らかにし、スーチー氏は「公正な処遇」を受けていると主張した。ミャンマー地元メディアは独房に収監されていると報じている。

スーチー氏の裁判は非公開で行われ、弁護士はメディアへの発言も禁じられている。スーチー氏は全ての罪を否認しているが、既に汚職など一部の罪で計11年の禁錮刑が言い渡されている。すべて有罪となれば刑期は150年を超える可能性がある。

スーチー氏をめぐっては3月に東南アジア諸国連合(ASEAN)特使であるカンボジアのプラク・ソコン副首相兼外相が面会を求めたが、国軍は「裁判中だ」として認めなかった。

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