【北京=三塚聖平】中国外務省の汪文斌(おうぶんひん)報道官は23日の記者会見で、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に日本や韓国などが参加することに対し「アジア太平洋地域の国と人民は、軍事集団を引き入れ、分裂や対抗を扇動するいかなる言動にも断固反対する」と述べた。「アジア太平洋地域は、北大西洋の範疇ではない」とも述べ、NATOがアジア太平洋地域で関与を拡大させることを牽制した。
汪氏は、NATOについて「冷戦の産物、米国が主導する世界最大の軍事同盟で、米国が覇権を守り、欧州の安全保障枠組みを支配する道具だ」と非難。その上で「イデオロギーによる線引き、対立の扇動、中国に対する偽情報や挑発的な言論を散布することをやめ、新冷戦をたくらまないよう求める」と主張した。
今月29、30両日にスペインの首都マドリードで開かれるNATO首脳会議には、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドも招待されている。