9党首討論会、安保論争かみ合わず 首相「どこが違憲か」、泉氏「疑義残る」

党首討論会で討論する(左から)社民党の福島瑞穂党首、国民民主党の玉木雄一郎代表、日本維新の会の松井一郎代表、立憲民主党の泉健太代表、自民党総裁の岸田文雄首相、公明党の山口那津男代表、共産党の志位和夫委員長、れいわ新選組の山本太郎代表、NHK党の立花孝志党首=21日午後、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)
党首討論会で討論する(左から)社民党の福島瑞穂党首、国民民主党の玉木雄一郎代表、日本維新の会の松井一郎代表、立憲民主党の泉健太代表、自民党総裁の岸田文雄首相、公明党の山口那津男代表、共産党の志位和夫委員長、れいわ新選組の山本太郎代表、NHK党の立花孝志党首=21日午後、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)

参院選(22日公示、7月10日投開票)を前に開かれた日本記者クラブ主催の党首討論会では、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて外交・安全保障などを中心に論戦が繰り広げられた。また、自民党や日本維新の会が憲法改正に意欲を見せた一方、立憲民主党などは慎重論を展開し、かみ合わなかった。

「平和安全法制(安全保障関連法)の違憲部分を廃止するということだが、どこが違憲だと思っているのか」。岸田文雄首相(自民総裁)が討論会でこう質問すると、立民の泉健太代表は「集団的自衛権(の行使)に道が開かれたことについては憲法上、疑義が残る」と答えた。ただ、首相は消化不良気味に「具体的にどこが違憲で、どこを廃止するのか理解できなかった」と指摘。かねて日米同盟を強化する安全保障関連法に否定的な評価を下してきた野党第一党の認識をただす狙いも見え隠れした。

自民などが重視する防衛費増額も議題となった。首相は「数字ありきではおかしな議論になる」と慎重に検討する考えを示し、泉氏は「ウクライナ情勢を踏まえ、必要なものには予算を投じなければいけない。防衛費が上がることもあり得る」と述べた。

公明党の山口那津男代表は防衛力強化について「専守防衛、憲法9条1項2項、非核三原則もしっかり堅持する」と強調。共産党の志位和夫委員長は「『ロシアは侵略をやめろ』『国連憲章を守れ』の一点で全世界が団結することが最も力になる」と述べ、ウクライナ問題の解決に向け外交努力を重視すべきだと主張した。

れいわ新選組の山本太郎代表は、日本の国連常任理事国入りに関して「専守防衛と徹底した平和外交以外に道はない」と訴えた。

討論会では憲法改正も取り上げられた。首相は「(改憲の)中身について一致できる勢力が3分の2集まらないと発議できない」と指摘し、国会での議論促進を期待した。維新の松井一郎代表は改憲に向けた自民の「覚悟」を要求。「自民にぴりっとしてもらうために精いっぱい戦いたい。争点になって1ミリも動かない。最後の戦いを横綱に挑みたい」と述べた。

泉氏は「今、憲法を変えねばわが国が崩壊してしまう、国民生活が奈落の底に落ちてしまうというような、何か決定的な問題があるかといえば、そうではない」と強調。社民党の福島瑞穂党首も「9条改悪を阻止する」と訴えた。

一方、首相は新型コロナウイルスについては感染症対応の司令塔機能を担う「内閣感染症危機管理庁」で、子供政策に関しては「こども家庭庁」でそれぞれ対策を講じる意向を示した。NHK党の立花孝志党首は「(新型コロナは)特別扱いする状況ではない」との認識を示し、外国人観光客の誘致を強化すべきだと主張。また、国民民主党の玉木雄一郎代表は「静かなる有事が進んでいる」と少子化に警鐘を鳴らし、教育国債を財源に対策を講じるべきだと訴えた。(内藤慎二)

9党首討論会詳報・主な発言

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