いまだに多くの人が、歴史は進歩すると考えている。人類は過ちを繰り返しながら一歩ずつ進歩してきたのであり、やがて理想の社会へと行き着くというわけだ。戦争にしたって、第一次世界大戦、第二次世界大戦と多くの過ちから学んできたのだから、いつかは戦争も核兵器もない平和な世界を実現できるという理想を抱く。
こういうことを言う人は、特に新聞やテレビなどに出てくるインテリやマスコミ人に多い。彼らは、社会がある発展段階を経つつ進歩し、どの国でも必ず近代化できるし、せざるを得ないという進歩史観で世の中を論じようとする。
しかし、ロシアによるウクライナ侵攻は、そういう人たちが、進歩という虚構(ウソ)をばらまいてきたことを証明してしまった。