東京・杉並区長に岸本氏初当選 野党系が推薦

当選を支援者と喜ぶ岸本聡子氏(中央)=20日午後0時26分、東京都杉並区(末崎慎太郎撮影)
当選を支援者と喜ぶ岸本聡子氏(中央)=20日午後0時26分、東京都杉並区(末崎慎太郎撮影)

任期満了に伴う東京都杉並区長選は19日に投票、20日に開票が行われ、無所属新人でNGO政策研究員の岸本聡子氏(47)=立民、共産、れいわ、社民、生活者ネット推薦=が、いずれも無所属で現職の田中良氏(61)、新人で元区議の田中裕太郎氏(46)の2人を下し、初当選を果たした。投票率は37・52%(前回32・02%)、当日有権者数は47万2619人。

20日午後0時25分ごろ、同区阿佐谷北の選挙事務所に当選の知らせが入ると、支援者とともに結果を待っていた岸本氏は花束を受け取り、「皆さんとここまで来れてよかった」と満面の笑みで喜びを表した。

勝因については「トップダウンではなく、区民と一緒にやっていくという姿勢が女性に支持されたのだろう」と分析。僅差の勝利となったことには「投票してくれた人、しなかった人、みんなで区政を支え、議論しながら区政を行っていきたい」と区内の分断を解消する姿勢を示し、「公共の再生をスローガンに、地域社会の中に雇用を創出していきたい」と語った。

選挙戦では田中良氏の3期12年の評価や、児童館など公共施設の再編、子育て・高齢者福祉政策などが争点となった。岸本氏は学校給食無償化など子供視点の政策や、住民との対話を重視したまちづくりなどを掲げ、支持を広げた。

田中良氏は待機児童ゼロの実現など実績を強調。落選が決まった後、「結果を出せなかったことは私の力不足」と支援者に謝罪し、児童館などの再編については「子供の居場所は確実に増えるが、そのことを区民に正確に伝えられなかった」と述べた。

田中裕太郎氏は「日本人の権利を守る杉並区」を掲げたが、及ばなかった。

同時に行われた区議補選(改選数1)では、自民新人の逸見純一氏(31)が当選した。

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