子供は農業体験、大人はワーケーション ポケマルが「親子地方留学」

「ポケマル親子地方留学」のイメージ(雨風太陽提供)
「ポケマル親子地方留学」のイメージ(雨風太陽提供)

夏休みに親子で自然に触れてもらおうと、産直サイト「ポケットマルシェ」の運営会社は20日、岩手県に滞在して子供は農漁業を体験、保護者は旅先で働く「ワーケーション」をする企画旅行「ポケマル親子地方留学」の募集を始めた。新型コロナウイルス感染症によるテレワークの普及で、都市と地方に生活拠点を構える「二地域居住」が注目される中、そうした人の流れを後押ししようという一企業の試みだ。

親子留学は、7泊8日の日程で遠野市に滞在し、市内や花巻市の農家を訪ねて野菜の収穫やまき割り、風呂たきなどを体験。釜石市の漁師の元では漁船でホタテの養殖場を見学し、収穫作業を体験するほか、大槌町では猟師のシカ猟に同行して、シカの解体を見学する。その間、保護者はWi-Fi環境のある宿泊施設でテレワークをしている。

受け入れる農家や漁師は、ポケマルを通じて都市の消費者と直接つながる生産者たち。コロナで急拡大し、現在全国で約6800人が登録する。今回の親子留学は、彼らの生産現場を実際に訪ねてみるものだ。

運営会社「雨風(あめかぜ)太陽」の高橋博之代表(47)は「生産者たちは自然を相手にしているだけに、何が自然で何が不自然かを知り尽くしている。子供たちに、自然とは何か、生きるとは何かを教えてくれる」と説明。

その上で「都市の子供たちには『ふるさと』を作ってほしいし、親もワーケーションをしながら、都市ではなかなか得られない『生の実感』を得てほしい。そして生産者が農業や漁業を続けられるようにもしていきたい」と話す。

高橋さんは、「第2のふるさと」のように毎年同じ地域に滞在する中で、週休3日制の週末に訪れて複業をする人や、その地域の課題解決にかかわりたいと二地域居住、多地域居住をする人が出てくるようになってほしいという。

政府が今月閣議決定した地域活性化策「デジタル田園都市国家構想」の基本方針でも、デジタル技術による変革「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の進展による「二地域居住の推進」を掲げた。

親子留学の対象は小学生とその保護者で、計27組を募集。7月31日と8月9、18両日からのそれぞれ7泊8日で、費用は子供と保護者計2人の場合、宿泊施設に応じて約15万~23万円。花巻までの交通費や宿泊施設での食費、掃除洗濯などのサービスは含まれない。詳しくは同社サイト。

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