甲賀で忍術書の原典発見 番犬に吠えられない呪術も 「間林清陽」48カ条 

江戸時代の忍術書「間林清陽」の写本
江戸時代の忍術書「間林清陽」の写本

滋賀県甲賀市で、江戸時代の忍術書「間林清陽」の写本が見つかったと市などが19日、発表した。間林清陽は、甲賀・伊賀の忍術を辞典のようにまとめた代表的な忍術書「万川集海」(1676年成立)の基になったとされる。万川集海は間林清陽も参考にしたと明記していたが、これまで存在や中身は確認されていなかった。

表紙には「軍法間林清陽 巻中」とあり、48カ条の忍術が載っていた。竹からまきびしを作る方法や、大勢の敵に囲まれた際の戦い方、小さな音を聞く方法、音をたてない履物の作り方などが具体的に記されていた。番犬にほえられないように手に鬼の文字を書いて九字を切るという呪術もあった。

写本は40ページの冊子で、1748年に書き写されたとみられる。今回見つかったのは中巻とみられ、上下巻はまだ発見されていない。

忍者の調査をしている同市地域おこし協力隊の福島嵩仁さん(37)が昨年12月、同市の葛木地区にある区有倉庫から発見した。同地区に住んでいた尾張藩の御忍役人だった吉川家の子孫宅に伝わる文書だった可能性があるという。

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