注目される「15分の会議」、その効果はいかに

「Zoom会議が長時間になる場合に特に顕著だったのですが、参加者が話に耳を貸さないという問題がなくなるのです」と、マリヤシンは語る。「以前は会議を1時間に設定しても80分まで延びてしまうと、1時間経過後の20分間に経営陣はすでに別の作業を始めていましたから」

英国のソフトウェア開発企業のDistributedは、パンデミックの期間にすべての業務をリモート化したのち、すぐに15分会議を導入している。「計算するとわかりますが、8人が1時間の会議に参加することは、1人が丸1日働くことと同じになります。企業にとってその会議にかかるコストはかなりのものになるので、より短時間で集中する会議を開くメリットは考えるまでもないことです。ハイブリッドワークやリモートワークを実施している現状では特にそうでしょう」と、Distributedの共同創業者のカラム・アダムソンは語る。

企業は15分会議を導入し始めたところだが、組織心理学者スティーヴン・ローゲルバーグは、より短時間でより集中した会議の形式は昔からあると指摘する。「ハドルミーティング(作戦会議)やデブリーフィング(結果報告)、アフターアクションレビュー(事後検証)など呼び方は異なれど、この概念は何十年も前からアジャイルフレームワークや組織戦術で重要な部分を占めてきました」と、ローゲルバーグは説明する。

短時間の会議に再び高い関心が集まるようになった理由は、職場での雑談がなくなったことで、リモートで働く従業員の管理方法を管理職が導入せざるをえなくなったからだと、ローゲルバーグは指摘する。そして、15分という枠は従業員とキャッチアップするためのツールのひとつにすぎず、15分会議に頼りきってはいけないとも言う。

鍵を握る「会議の頻度」

とはいえ、15分会議だけでは過密スケジュールの問題は解決できない。従業員は標準で設定された1時間の「Google Meet」で開かれる会議や、「Calendly」、「Doodle」といった日程調整ツールによって管理され、1日中もしくは丸1週間、会議で埋め尽くされたスケジュールを過ごすことになるのだ。

ビデオ会議を終えた直後に別のビデオ会議を始めると、従業員の脳内のストレスレベルが急上昇し、絶えず頭を切り替えなければならないという心理的負担が生じる──。こうした事実が、マイクロソフトの研究部門「Human Factors Lab」の調査によって明らかにもなっている。そもそも会議の企画者でもない限り、予定の収拾はつかなくなりがちだ。

職種を問わず、人々は真剣に仕事に取り組んできちんと作業するために、まとまった有意義な時間を確保する必要がある。一定の間隔を空けて仕事をすることは、まとまった時間でやる仕事の流れを阻害し、生産性やウェルビーイングに悪影響を及ぼしかねない。

ローゲルバーグのいくつかの研究によると、会議と空き時間のすみ分けができている労働者は、より大きな達成感と満足感をもって1日を終えられることが明らかになっている。理想的な流れは、5〜10分の休憩を挟んで会議に参加し、少なくとも連続して2〜3時間は会議に参加しない時間を設けることだという。

「人々の会議に対する不安は、自分の時間の管理を誰かに委ねているという思いと結びついています。会議によって常に途切れるスケジュールが組まれることで、こうした気持ちは増幅されるのです」と、ローゲルバーグは指摘する。

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