飲食店を点数評価するグルメサイト「食べログ」などの飲食店情報サイトを巡っては、公正取引委員会が提訴前の令和2年3月に取引実態調査の報告書を公表、掲載する店舗の採点や表示順位に関し「(ルールの)透明性を確保することが望ましい」との見解をまとめ、店に不当な不利益を与えた場合、独禁法違反となる恐れがあると指摘していた。
16日記者会見した公取委の古谷一之委員長は、「個別の事案にコメントはできない」とした上で、「独禁法上認められたいろんな手段を使って、民間の事業者が競争回復を図るために活動することは期待もしているし評価もしたい」と述べた。
公取委が令和2年に示した報告書では、店舗側の31・5%がサイト側に不満や疑問を抱えており、「(運営会社と)有料契約をしたら、点数が(5点満点中)3・5に上がった」「(心当たりがないのに)なぜか点数が下がった」など店の魅力を正確に反映していないと不信の声が上がった。11・4%がサイト側から一方的な契約内容の変更を受けた経験があるとも指摘した。
公取委の調査の意義について、古谷氏は①民間による改善の促進②関係省庁による規制や制度の見直し③公取委による違反事案の審査への活用-の「3つの出口がある」と指摘。今回の訴訟は1つ目のケースとした上で「(民間が)自ら独禁法の手段を使って、競争を回復する努力をするのはいいことだと思う」とした。