一代で日本を代表する企業を築くなどした「カリスマ経営者」の後継者の行方が注目されている。今年4月にはモーター世界大手の日本電産で、創業者の永守重信会長(77)がいったん譲った最高経営責任者(CEO)に1年足らずで復帰。どんな名経営者でも、いつかはバトンを渡すときが来る。後継者づくりの停滞が続けば、経営上のリスクにもなりかねない。
「全てを知り尽くす私」
「私にとって、非常に残念な株価になっている。業績も、決して満足できるものではない。ここはもう1回、復帰をして、業績や株価の改善を早くしたい」
日本電産の永守氏は4月21日の決算記者会見で、同日付でCEOに復帰した理由をこう説明した。「創業者で、全てを知り尽くしている私が短期的に指揮を振るい、業績を改善する」