その経済効果を山梨大と山梨中銀経営コンサルティングが共同で考察し平成31年2月に公表。30年と31年1月までに開催された主な5つの関連イベントで、8500万円の消費拡大があったとした。
調査を担当した山梨大の田中敦教授は、今回の映画公開でさらに大きな経済効果になると予想する。コアのファンに加え、キャンプ自体がブームになっていること、そして新たなファンの増加していることが大きな要因だ。
「コロナ禍の巣ごもりの中で、動画配信サービスでゆるキャン△を知り、ファンになった人も多い。その潜在的な層が映画で一気に表面化する」と田中氏。大ヒットを記録した映画「鬼滅の刃」と同じような展開で人気急騰が起きる可能性があるという。
新たな親子連れファン
田中氏や地元関係者が新たなファンと実感しているのが「小学生とその親」という組み合わせだ。
これまでのゆるキャン△関連イベントでは、10代後半からのアニメファンやキャンプ愛好家らが多かった。しかし今回の文化祭では小学校低学年の親子連れが多く見受けられた。
甲府市から来場した親子連れは「アニメを見て、小2の娘からキャンプをせがまれるようになった」。富士吉田市の小3女児は「今まではキャンプは好きじゃなかったけど、ゆるキャン△を見てキャンプが楽しくなった」と話す。子供がファンになって、家族そろってキャンプ好きにというケースもありそうだ。
また今回の映画公開では「新たな聖地」が登場するという。静岡市の20代の女性は「この夏はそこの巡礼です」と笑顔をみせる。
映画化によって、ファンを熱くさせ、同時に新しいファンを広げる。「ゆるキャン△」は質、量ともに、その舞台の地も大きく進化させそうだ。(平尾孝)