【ソウル=時吉達也】韓国の李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防相は12日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議で演説し、日韓安保協力の強化に向け「日本と真摯(しんし)に対話する意向だ」と述べた。朴振(パク・チン)外相も同日、米ワシントン訪問に先立ち記者団に「訪米後、日本側と調整して双方が都合の良い時期に(日本に)訪問したい」と発言。韓国の外交・安保閣僚が日韓関係の修復に改めて意欲を示した。
李氏は演説で、北朝鮮が7回目の核実験の準備を進めていることなどを挙げ、核・ミサイルの脅威が高まっていると指摘。日米韓3カ国が安全保障協力を強化する必要性を強調し「韓日間にはさまざまな懸案が残っているが、両国共同の利益となるよう、懸案の合理的な解決に向け知恵を集めていく」と訴えた。
同会議の会期中に日韓防衛相の2者会談は開かれなかったが、李氏は記者団に対し、岸信夫防衛相と「3回ほど会話する機会があった」と説明。「日韓関係が良い方向に進むべきだ、とのニュアンスで話をした」と述べた。
一方、韓国外務省関係者は13日、7月投開票の参院選に言及し「選挙前の外相訪日を日本政府が望んでおらず、無理に推進する必要はないと見ている」と述べた。韓国メディアが報じた。当初6月中に予定されていた訪日が遅れる可能性が浮上している。
朴氏は米東部時間12日に米国を訪問。13日にブリンケン国務長官との会談に臨む。