橘ジュンの人生相談

スマホで「ポチッ」と 欲望を手放せない

イラスト・千葉真
イラスト・千葉真

相談

40代女性、会社員。衝動買いが止まらないのを直したいのに、自分ではできません。

特に仕事から帰る電車の中や、夜、眠るまでの間が魔の時間です。スマートフォンでネットショップを「はしご」して、靴や服、化粧品や健康食品などの購入ボタンを「ポチッ」と押してしまいます。買った瞬間にはうれしいと感じますが、家に届くころには興味がない、ひどいときは「こんなのいつ買った?」と忘れています。

私の家には、着ていない服、履いていない靴、使いかけで残ったままの美容液や健康食品がたまる一方です。夜寝るときはスマホを離れた場所で充電するようにしようと決めても、気になって、結局、枕元に置いて、眺めてしまいます。

この癖を直すにはどうすればいいでしょうか。

回答

声をありがとうございます。私も夫も酔っ払っているときに「ポチッ」としてしまい、届いた荷物を手にしては頭を抱えています。買い物に関して自分に嫌気がさすことは、私にもよくあります。

ストレスを一時的に発散するため、あるいは、何かに向けて頑張る自分を励ますための買い物で、借金も生活の破綻もなく日常を送れる程度の額であれば、むしろ罪悪感を持たずに、純粋に楽しんでみてもよいのでは、と思うのですが。ただ、今回の悩みは買い物をしたい欲を抑えたいということなので、一緒に考えていきましょうね。

買い物癖を直すには、すでに実行しているように、眠る場所のそばにスマホを置かないことは基本です。が、さらにもうひと工夫してみてはどうでしょう。手軽に決済できないように、あえて使い勝手を悪くしてみるのです。例えば、スマホと連動させた形での電子マネー類の使用をやめる。または、通販サイトは普段からログアウトしておき、さらに手続きに必要となるパスワードを長めに変えて、入力が面倒くさくなるようにする…なんてどうでしょうか。最初はつらいかもしれませんが、こうしておくと、面倒くささが欲より勝り、よっぽど必要になったとき以外は通販サイトを開こうとしなくなるものです。

次に、自分と向き合うためにも物を整理してみましょう。不用品を必要な人に寄付したり、買い取ってもらったりして住まいがすっきりすると、気持ちも前向きになれるかもしれません。

不調や不安を紛らわせるための行為が買い物になってしまっていると思うなら、心の不調の改善法を考えてみることも必要だと思います。その不調を自分で解消するのが難しいと感じたら、専門家に頼ってみてください。

回答者

橘ジュン 昭和46年生まれ。NPO法人「BOND プロジェクト」代表。フリーマガジン「VOICES(ボイス)」編集長。街頭パトロールやSNS(交流サイト)などを通じて少女たちの悩みを聞き、支援している。主な著書に「最下層女子校生 無関心社会の罪」(小学館新書)。

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