東京・杉並区長選は三つどもえ 現区政の評価など争点に

東京・杉並区長選の候補者らの訴えに耳を傾ける聴衆=午後12時4分、同区(外崎晃彦撮影)
東京・杉並区長選の候補者らの訴えに耳を傾ける聴衆=午後12時4分、同区(外崎晃彦撮影)

任期満了に伴う東京都杉並区長選は12日告示され、いずれも無所属で、新人で元区議の田中裕太郎氏(46)▽現職で4選を目指す田中良氏(61)▽新人でNGO政策研究員の岸本聡子氏(47)=立民、共産、れいわ、社民、生活者ネット推薦-の3人が立候補した。現区政の評価などを争点に、舌戦が繰り広げられる。

3人は同日、区内でそれぞれ出陣式を行った。

田中裕太郎氏は、「日本人の権利を守る杉並区にしていきたい」と訴え、武蔵野市で問題化した外国人地方参政権に反対し、区の自治基本条例を改正する考えを示した。また、現区政を「公私混同で税金を無駄遣いしており、区民の声を聞かない」と批判。区長公用車の廃止などを公約した。

田中良氏は、保育園の待機児童ゼロと、特別養護老人ホームの入所待機者解消の実現を挙げ、「これらの問題は既に過去の目標となった」として3期12年の実績を強調。保育行政で今後は障害児への対応、きょうだいの同じ園への入園など「質向上を目指す」などとして区政の継続を訴えた。

岸本氏は、「コロナ禍に物価上昇が追い打ちをかけている」として「区の財政調整基金を使うべきときだ」と訴えた。田中区政のコロナ対応については「もっとできたことがある」と批判。公共政策研究に携わってきた自身の経歴を紹介し、「区民の暮らしと命を守る」と力を込めた。

同時に告示された区議補選(改選数1)には9人が立候補した。いずれも投票は19日、開票は20日。選挙人名簿登録者数は、48万6703人(11日現在)。

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