マインクラフトのコードを書く“対話型”のAIは、「未来のコンピューター」の第一歩となるか

CTOのスコットはGitHub Copilotについて、これから数年でマイクロソフトやほかの企業から登場するであろう「AIファースト」な製品の最初の事例だと説明する。「(コードを書くAIによって)ソフトウェアを別の方法で開発することについて考えられるようになります。どんなものを実現したいのか、という意図を表現できるのです」と、スコットは言う。

これについてスコットは具体的な事例は挙げていない。しかし、例えばWindowsが求めに応じて特定のドキュメントを探し出して同僚にメールで送信するようになったり、データセットをグラフに変換する“AI搭載版”の「Microsoft Excel」などが、いつの日か登場するかもしれない。

「わたしたちの誰もが特に楽しんでもいない、あらゆる種類のルーチンのような認知作業において、大きな生産性の向上を期待できるようになるはずです」と、スコットは言う。

OpenAIのモデルを応用

最近のAIは、画像の分類や音声の文字起こし、テキスト翻訳などの作業を得意としていることが証明されている。こうしたなか、最近のアルゴリズムの進化は膨大なコンピューターパワーも相まって、より高度な技能をもつ新たなAIプログラムを生み出すようになった。プログラムのコードのような理路整然としたテキストの生成も、そのひとつである。

マインクラフトのボットは、マイクロソフトから19年に出資を受けたAI企業のOpenAIが開発したAIモデル「OpenAI Codex」を利用してつくられた。OpenAI Codexは、ウェブからかき集めた自然言語テキストと、マイクロソフト傘下のソースコードの共有プラットフォーム「GitHub」から取得した数十億行のコードで訓練されている。

マイクロソフトのGitHub Copilotは、限られた数のテスターに21年6月に提供された。同社によると、現在は10,000人以上の開発者がPythonやJavaなどの一般的な言語でGitHub Copilotを使い、コードのうち平均約35%を自動生成しているという。

この夏、マイクロソフトはGitHub Copilotを誰でもダウンロードできるようにする予定だ。マインクラフトのボットのようなものをつくるには、開発者は基礎となっているOpenAI Codexと連携する必要がある見通しだ。

AIは仕事を奪うか「超便利」か

OpenAI CodexもGitHub Copilotも、開発者たちの間にある不安感をもたらしている。仕事が自動化されてしまう可能性を心配しているのだ。

今回のマインクラフトのデモも、同じような懸念を呼び起こす可能性がある。だがCTOのスコットによると、GitHub Copilotに関するフィードバックはおおむね肯定的だという。

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