ソニー元会長兼グループCEOの出井伸之さん死去 デジタル化推進

出井伸之氏(蔵賢斗撮影)
出井伸之氏(蔵賢斗撮影)

ソニー(現ソニーグループ)の社長や会長を10年間にわたり務め、同社のビジネスのデジタル化を推進した出井伸之(いでい・のぶゆき)氏が2日、肝不全のため死去した。ソニーグループが7日、発表した。84歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行った。後日、偲(しの)ぶ会を開く予定。

早大を卒業し、昭和35年にソニーに入社。平成7年に大賀典雄氏の後任として14人抜きで社長に就任し、インターネット社会の到来を見据えたビジネスの転換を進めた。10年に最高経営責任者(CEO)となり、12年から17年まで会長兼CEOを務めた。12年に始まった政府のIT戦略会議の議長を務め、日本のIT戦略の推進に尽力したほか、経団連副会長も務めた。

後任の会長兼CEOに英国出身のハワード・ストリンガー氏を指名したことも注目を集めた。ソニーのCEOを退いた後は、ベンチャー企業の育成や支援を手掛ける会社をつくった。

出井氏のもとで社長室長を過去に務めたソニーグループの吉田憲一郎会長兼社長CEOは「インターネットがもたらすインパクトをいち早く予見し、ソニーにおけるデジタル化を積極的に推進されたその先見性には今でも驚かされます」とのコメントを出した。

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