電車内での痴漢被害を防ごうと、警視庁は1日、京王井の頭線の渋谷駅(東京都渋谷区)で、声を出さずに助けを求められる同庁の防犯アプリ「デジポリス」の利用を呼びかけた。防犯広報大使を務めるサザエさんやマスオさんの着ぐるみも参加し、警察官や鉄道会社の社員ら約50人とデジポリスのチラシなどを配った。
デジポリスはスマートフォンの画面に「痴漢です 助けてください」と表示したり、「やめてください」との音声を出したりできる。4月からは「ちかんされていませんか?」と表示する機能が追加。痴漢に気付いた周囲の乗客が、声を出さなくても被害者に見せて確認できるようになった。
チラシ配布後、警視庁渋谷署の武井徹署長は「痴漢に気付いた方々にも手を差し伸べてほしい。そうすることで痴漢がやりにくい環境ができる」と話した。
警視庁によると昨年、都内で摘発された電車内の痴漢は約240件。軽装となる夏場に増えやすいという。