今秋実施の国際電気通信連合(ITU)の事務総局長選で、米国がロシアとの一騎打ちに臨んでいる。ロシアがウクライナ侵攻で評判を落とし国連関連機関の選挙で敗れるケースが相次ぐ中の選挙だが、米欧の専門家は通信規格の標準化などを担うITUの事務総局長を中国出身の現職に続いてロシアが射止めれば、「権威主義国家によるインターネットの統制が進む」と警戒している。
米露の一騎打ち
「ITUは恐らく、皆さんが聞いたことのない最も重要な国際機関です。今度の事務総局長選はインターネットの未来を決めることになるでしょう」。米国のパワー元国連大使は5月4日、オンライン開催されたグローバル・デジタル開発フォーラムでこう語り、選挙の重要性を強調した。