サッカー通信

〝バットマン〟宮本恒靖氏が語る日韓W杯 

«1次リーグ敗退に終わった1998年フランス大会を戦った中山雅史や秋田豊ら、経験豊富なベテラン勢がチームを支えていた»

「(存在は)大きかった。直前の欧州遠征があまりよくなくて、チームとして自信も失いかけた中での本大会だった。経験のある選手が〝裏W杯〟といって、練習試合をモチベーション高くやってくれた。そういう姿に、試合に出る人たちはより頑張らないといけないと思った」

日韓W杯で話題になった「バットマンスタイル」で登場したTSUNEフレンズ・宮本恒靖 =2012年7月16日、神戸市・ホームズスタジアム神戸(撮影・山田喜貴)
日韓W杯で話題になった「バットマンスタイル」で登場したTSUNEフレンズ・宮本恒靖 =2012年7月16日、神戸市・ホームズスタジアム神戸(撮影・山田喜貴)

«指揮を執ったトルシエ監督は厳格な指導と激しい性格で知られたが、選手の前では違う一面も見せていた»

「エキセントリックなところはあったけど、リラックスルームでコーヒーを飲みながら話していると、すごく穏やか。『俺はこう考えているんだ』とか、選手の個人名を挙げて『こうなっていってほしい』とか、中長期的な展望を話してくれたこともあった。いいコーチだと思っていたし、いい人だとも思っていた」

«快進撃は決勝トーナメント1回戦のトルコ戦(0-1)で止まった。今思い返せば、1次リーグとは違った雰囲気があった»

「試合前のロッカーは確かにふわっとしていた。監督もスーツの色を変えて、『あれ?』っていうのはあった。トルコに勝てば、次は(先に8強入りを決めていた)セネガル。もしかして…と次まで見過ぎたところもある。トルコ戦は時計の針がどんどん進んでいくような、何もできない焦燥感みたいなものを持ちながらやっていた」

«その後、日本代表は10年南アフリカ大会、18年ロシア大会で16強入り。確実に進歩はしている一方、8強の壁は高い»

「継続的にベスト8に入るのは、サッカー大国であっても難しい。その国のサッカーの力が求められると思っている。大会前の準備や、大会後の検証だったり。11人だけでスタートする大会じゃない。そういうものと、選手、指導、育成とかがいろいろマッチしてたどり着けると思う」

«3月に日本サッカー協会の理事に就任した。現場と少し離れたところから日本サッカーを押し上げようとしている»

「勝利やゴールの瞬間に感情の振れ幅が(一気に)上がるのが、サッカーのいいところ。より多くの人に感じてもらいたいし、日常に(サッカーが)もっともっと増えていくようにしたい。今はたくさんの娯楽の対象もあって状況は違うが、やれることはあるんじゃないかなと思う」

«今年はカタールでW杯が開催される。過去最高の8強入りを狙う日本は、1次リーグで優勝経験を持つドイツ、スペインと同じ組に入った»

「ドイツ、スペインと真剣勝負の場で戦えるのは、選手としては『やってやるぞ』の気持ちの方が強いと思う。そこを越えないとベスト8なんてない。欧州でやっている選手が増え、評価の基準になる試合でもある。直前の調整期間はそんなに長くないが、6月のシリーズを大切にしてもらいたい」

会員限定記事会員サービス詳細