新型レンジローバーをあえて選ぶべき理由とは

それまで写真でしか見ていなかったので、そのときは、あまりにつるんとしたサーフェスの処理に、私は「ちょっとやりすぎでは?」と感想を持っていた。ところが、サンフランシスコで、太陽光線を反射した車体を見て、たしかに美しさを強く感じた。新しい、でも、どこから見てもレンジローバーなのだ。

ほかにマネ出来ない“らしさ”

操縦した印象も、デザインとすこし似ている。いいところを残して、かつ良くするべきところにしっかり手が入っているのだ。とくにサスペンションシステム。先代のふわりふわりとした“足さばき”が保たれているのは、私がとても気に入った点だ。

ハンドリングはいっぽうで、しっかりした。ナパバレーのワインディングロードを、速度をあげて走った場合も、爽快さが感じられる。エアサスペンションと、加速やブレーキを使う車体制御システムと、さらに四輪操舵システムをうまく使いながら、レンジローバー独自の“あたり”がソフトな乗り心地を保っているのだ。

エクステリアとおなじように、削ぎ落としをテーマに造型されたインテリアは、シンプルなぶん、使う素材と色づかいの独自性が際立つ。これもレンジローバーならではの魅力。いまのところ、マネする競合車は登場していない。

標準ホイールベースでも2997mmもあるから、空間的余裕とともに、「ナノイー」による空気浄化システムや、ノイズキャンセリングシステムの恩恵による静粛でクリーンな空間という、まさに走るラウンジ感覚も、やはりレンジローバーだからこそ手に入るものだろう。

「作りすぎないのもブランドにとって大事」と前出のプロダクトマーケティングディレクター、スティール氏。

ということは、高級SUVの市場にあって、いまもって強い個性を魅力としているレンジローバーを手に出来るひとは幸運ともいえる。そこも市場での価値だと思う。

文・小川フミオ

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