3・9億年前の謎の生き物正体解明 理研などの研究チーム

研究チームが復元したパレオスポンディルス(理化学研究所提供)
研究チームが復元したパレオスポンディルス(理化学研究所提供)

約3億9千万年前(中期デボン紀)に英スコットランドに生息していた謎の生き物「パレオスポンディルス」が、ヒトを含む陸上脊椎(せきつい)動物の祖先に近い種類だったことを理化学研究所などの研究チームが突き止め、25日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。これまで多くの化石が見つかってきたものの、どの系統に属するか分かっていなかった。生物が水中から陸に上がる進化の過程を解明する手がかりになる可能性があるという。

パレオスポンディルスは全長約5センチ。約3・9億年前に湖だった英国の地層から数千個の化石が発見されている。歯を持たないことからヤツメウナギなど原始的な脊椎動物の仲間とする説があった一方で、より進化したハイギョの仲間と考える研究者もいて、その進化における位置付けについては議論が続いていた。

研究チームは保存状態の良い頭骨の化石を兵庫県の大型放射光施設「スプリング8」で撮影し、立体的な形状や内部の構造を分析。頭の方向などを感知する三半規管や、頭骨を前後に分ける「頭蓋内関節」を持つことが明らかになった。

ハイギョをはじめさまざまな脊椎動物と比較し、この生き物がハイギョと陸上脊椎動物の間に位置すると推定。ひれが手足に進化して水中から陸に上がる前の段階とみられ、理化学研究所客員研究員の平沢達矢氏は「まだ陸には上がっていないが、今生きているどの魚よりも私たちに近い生き物だった」と考察した。

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