朝晴れエッセー

縁結びの写真・5月28日

先日、田舎の法事に行く途中、立川駅で週刊誌でもと思い探したが好みのものがなく、産経新聞を買った。なぜか産経新聞に手がのびていた。

産経新聞は、私の若い日に夫との縁結びをしてくださったのである。

23歳のときだった。私は勤務していた大使館のパーティーに着物を着て出席していた。その日は、独立記念日のお祝いだったと思う。

産経新聞のカメラマンが写真を撮っておられた。お客さま方といっしょにバイキング料理をお皿に取っている写真の真ん中に私が写っている写真が、翌日の産経新聞に載っていた。

驚いたことに、私の下宿先のいとこがこの写真を私の見合い写真として利用していた。それは幸運にも夫と私の縁結びとなった。

紹介された男性は、理系で素朴な人柄が田舎育ちの私と似たところもあった。

いとこ夫婦は、貧しかった私に何くれとなく手を差しのべてくださり、大きな愛を置き土産にして亡くなった。

夫は、いたらぬ私と54年を連れ添い2年前に逝ってしまった。

老いの日にアルバムを整理しながら、幸運な縁とやさしかった人々を思い出している。


竹内敬子(82) 東京都東村山市

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