大谷100万円、トレカが投資対象に 百貨店初の専門店も

600万円のレブロン・ジェームズ選手の直筆サイン入りカード
600万円のレブロン・ジェームズ選手の直筆サイン入りカード

プロ野球選手や人気ゲーム「ポケットモンスター」のキャラクターなどをデザインしたトレーディングカード(トレカ)が、投資対象として注目されている。趣味として収集する人は多かったが、近年は値上がりを期待して買い求める動きが加速。5月には国内最大手のトレカ専門店が百貨店に初出店を果たすなど、市場は過熱している。

100万円の大谷翔平選手の直筆サイン入りカード
100万円の大谷翔平選手の直筆サイン入りカード

米バスケットボールNBAで人気のレブロン・ジェームズ選手の直筆サイン入りカードが600万円▽米大リーグで活躍中の大谷翔平選手の直筆サインカードが100万円▽ポケモンに登場するリザードンのカードは90万円-。

5月19日に大丸心斎橋店(大阪市中央区)に出店したトレカ専門店「ミント」は、これらの高額カードをはじめ、野球や相撲といったスポーツ、世界的に人気のカードゲーム「マジック ザ ギャザリング」など玩具メーカーなどが手掛ける幅広いトレカを扱う。百貨店には初出店で店頭に3千点を並べ、全国18店舗で最大級の店構えという。

大丸心斎橋店店舗開発担当の倉野孝治氏は「ミントが入るフロアには週刊少年ジャンプなどエンターテインメント性の高い店を集めている。大人向けも導入したいと考え、こちらからアプローチした」と明かす。

イチロー選手が直筆サインとともに「2001新人王」と記したカード(50万円)
イチロー選手が直筆サインとともに「2001新人王」と記したカード(50万円)

新品のトレカは数枚入りで100~400円が中心。有名選手のサイン入りや、表面がキラキラと光る「レアカード」が出ることもある。そうした商品が希少性や選手の活躍などに伴い、プレミアム価格となって値を上げていく。

ミントの新家(しんけ)達雄社長は「プロ野球のカードなら、現役だけでなく長嶋茂雄さんら往年の名選手のカードが出ることもある。競技への関心が高まるし、親子三世代で楽しめるのも魅力」と説明する。

新家社長によると、トレカ熱は世界的に高まっており、ポケモンなどのカードゲーム市場は国内だけで1千億円規模。野球などのスポーツカードは国内が60億~70億円、海外は数千億円規模という。今後、中国やインドなどの富裕層の参入も期待されている。

 マイケル・ジョーダン選手のルーキー時代のカード(110万円)
マイケル・ジョーダン選手のルーキー時代のカード(110万円)

こうした状況を受け、トレカを投資目的で買い求める動きが目立つ。ミントは高額カードには鑑定会社による本物の証明を付け、「投資価値」に重点を置いた商品説明を行う。プロ野球では、100万円の大谷選手のカードが「活躍とともに今後の値上がりも期待できる1枚」、20万円の阪神タイガース・佐藤輝明選手のカードは「需要が高い選手で高騰」などとする。

なぜ投資マネーがトレカに向かうのか。日本総合研究所の若林厚仁・関西経済研究センター長は「株や暗号資産(仮想通貨)は、すでに値が上がり切っているというのが市場の見方。トレカはまだ人気が過熱していない商品として投資家が目をつけたのかもしれない」と指摘する。一方で、「投機目的で金が集まれば、価格はいつかバースト(破裂)する。最終的には愛好家がそのカードに出していい金額に落ち着くのではないか」と話している。(井上浩平)

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