横田滋さん死去から2年…早紀江さん「寂しさ変わらない」 めぐみさん同級生の演奏鑑賞

横田めぐみさんとの再会を願うコンサートを終え、取材に応じる母早紀江さん=28日午後、川崎市(代表撮影)
横田めぐみさんとの再会を願うコンサートを終え、取材に応じる母早紀江さん=28日午後、川崎市(代表撮影)

北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさん(57)=拉致当時(13)=の父、滋さんが87歳で亡くなってから、来月5日で2年になるのを前に、母、早紀江さん(86)が28日、報道陣の取材に応じた。「寂しさは変わらない」。拉致問題の目に見える進展がない中、寂しさも焦りも募る一方だ。

この日は、めぐみさんの中学時代の同級生でバイオリニストの吉田直矢さん(58)のコンサートが川崎市で開かれ、早紀江さんも鑑賞。バイオリンの演奏とともに、スクリーンに滋さんが撮影した幼いめぐみさんや、救出活動をする滋さんの写真が映しだされた。早紀江さんは「見るとつらいので、なるべく演奏に集中した」と話した。

約45年前の昭和52年、まな娘を突然奪われ、夫婦として苦しさをともに背負い、取り戻す戦いをしてきた。講演や署名活動で全国各地を一緒に回ったことをよく思い出すという。伴侶を失い、2年が経過しようとするが、「まだいるような気がする」と語る。

早紀江さんの自宅には、滋さんの写真が飾られ、毎朝「お父さん、おはよう」と声をかける。お花や酒を供えることもあるという。ただ、日々の生活の中で、「それでね」と滋さんに話しかけてしまうことがあるといい、「ふとしたときに、もういないんだと感じる」と明かす。17日には、早紀江さんが「大好きだった」という兄も亡くなったという。

この1年間を振り返ると、めぐみさんの弟の拓也さん(53)が昨年12月に家族会の代表になった。平成9年に会が結成された際、初代の代表に就いたのは滋さんだった。早紀江さんは「2人の性格は違い、活動もそれぞれだが、『絶対に取り戻す』というところでは変わらない」と語る。

死去からまもなく2年。拉致問題に進展はみられない。

「なぜ動かないのか」と怒りがこみ上げる。「政府が責任をもって国民を守るのは当然のこと。今度こそ政府は本気で動かなければならない」と訴えた。

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